第9期指す順4回戦 ネブラスカさん戦

普段、対局前には宣伝(?)とリマインドを兼ねてこのようなツイートをしているのですが、前回の対局ではこのツイートができませんでした。なぜかというと本気でボロボロに負けると思っていて、対局前からかなりナーバスになっていたからです。

裏を返せば今日は(比較的)いい将棋が指せると思っていました(慢心)。ネブラスカさんは基本居飛車党で、相手の将棋に応じて用意してくるタイプのかなりの作戦家ではあるのですが、棋風的にはかなりじっくりした将棋を指すという印象を持っていて、こちらのノーマル向かい飛車がバレバレではあっても、奇襲一発で咎めてくるというよりは丁寧に指すと予想していたからです。もちろん丁寧に指されて負ける可能性は大いにあるのですが、それは単に実力負けなので、持ち時間を注ぎ込んで互角の中終盤を迎えられたらそれでいいなと思っていました。

(私は後手番)△55歩から仕掛けましたが、後の▲58飛を見落としていました。案の定、慢心が油断を生んでいたのです。一応、居飛穴は振り穴より固く、このタイミングなら26銀が遊びやすい分勝負できるだろうと考えてはいたのですが、▲58飛への対応を考えてから指すべきでした。

△45歩▲同歩△同桂と左桂がさばけそうで調子の良さを感じていた局面。手元の将棋ソフトではここでは▲37桂で先手良し、それ以外は後手に振れるとのことでした。評価値的にはダメなのでしょうけれど、ここで▲37桂以下先手良しの順を指すのは個人的にはかなり難しく見えるので、実戦的には良かったんじゃないかなと思います。ただ、△55歩を突っかけてから考えるのではなく、ここまで読んでから仕掛けられるようになるべきだという点については反省です。

3分半を使い、▲42歩成に△54飛を発見。ここではかなり手ごたえを感じていました。しかし、実戦的にはと金も大きく、印象よりは油断ならない局面が続いていました。

実はここで△19角成も考えたのですがド悪手で、急転直下先手良しらしいです。危ない……。

この後も飛車を降ろした手が悪手で先に△33角を打つべきだった等、細かい手順でミスがありました。結果的には角2枚とも相手の穴熊を削るために使うことができ、寄せの速度差をつけることができました。

感想戦では終盤、△74桂と指される前に▲66玉と入玉を目指す手が示され、これを寄せ切ることができませんでした。と金が忍び寄っている上に受けも利かない状況なので寄せるしかないのですが、正確に指せた自信はありません。もう少し相手玉の上部脱出とその時の自玉の安全度について考慮できるよう、認識を改めないといけないなと思いました。

最後、一間龍を作ってようやくお茶を飲みました(もちろん煽りではなく、ここまで落ち着くことがなく手が伸びなかっただけです)。

この原稿を書いている時に同じB3の和〜将棋日和〜 – しらが戦というのが行われていたのですが、バチバチの横歩取り青野流定跡対決で、本当に自分は運だけでここまで来たのがよくわかるし、これから先の対局でボロボロに負かされるのは間違いないわけで、その落差に耐えられるのかが今から不安で仕方ありません。とにかく今日は勝ててよかった。極端な悪手を指すことなく乗り切れてよかった。次局もそうであるように頑張ります。

第9期指す順3回戦 まえかくさん戦

指す順3局目にしてついに対居飛車でした。このところ後手番の対居飛車では向かい飛車をずっと指しているのですが、まえかくさんはこちらの棋譜を見てきたようで(指す順の前回大会まで自分は向かい飛車を指していないものの戦型予想は対向かい飛車とのことだった)、もしかしたら「こんなに負けまくっているのに向かい飛車やるのか……」と思われていたかもしれません。私も対局直前まで相掛かりを指そうかと真剣に悩んでいたのですが、結局は指し慣れた戦型で、とにかく考えて悪手を防ぎながら行くしかないと思い向かい飛車にしました。

36手目、5分を超える長考で△21飛。香車に紐をつける手で好手だったようです。しかし実はこの後に問題がありました。

何を考えたのかこの39手目▲45銀に飛車の成り込みを遅らせるため△25桂と跳ねたのですが、これは素直に△45同桂と取り後手良しでした。わざわざ香車に紐をつけているのにその手を活かせておらず、よくわかりません。対局中にあんまり同桂を考えた記憶もないのでポカだと思います。

49手目▲24飛の局面で駒の損得を数えたのを覚えています。結果、損得なし。こちらが大駒2枚を先に使える状況にしており、香車は取られそうですが手数がかかるのでその間に攻めれば後手良しだと思いました。あのいつも負けまくっている向かい飛車で、負けを糧にしてここまで持ってこれたのが嬉しかったのと、ここからミスせず互角に寄せ合えば勝てると思ったので、絶対に負けたくないなと思いました。

色々あった後での76手目、秒に追われて△74桂。悪手だったのですが代わりの手が思いつかなかったです。ここは△67金▲同玉△55桂で即詰みではないものの一気に迫れる順があったようで、見えても良かったなと思います。

▲17角への対応は龍切りを暴発させない△36龍で合っていましたが、△87香成を入れたのは間違いでした。ここで▲86歩と打たれたらまずかったです。

△66桂は指した後すぐに▲67玉で寄らないと思いました。これは指されていたら負けていたと思います。△66桂指した後のリカバリーは自分にはできそうもないので、代えて△87金として角を取る方が良かったです。

このように終盤も指し手がかなり怪しく、特に最後のは逆転されるおそれもあるミスでした。僥倖としか言いようがないと思います。ただ中盤まで頑張って指せたのは本当に良かったです。本局は負ける気しかせず、2週間準備しながらずっと練習でも負けまくりで、どうしようもないなと思っていたのですが勝てて良かったです。ここまで勝てたのだから将棋の勉強をサボらず次戦に臨みたいです。

第9期指す順2回戦 まついさん戦

今局は前局以上に反省すべきポイントが多々あり、全てを取り上げるのは困難なため印象的な局面のみの振り返りになります。

対石田流を準備していたのですが、まさかの四間飛車。この局面、急戦か持久戦かを悩んだ結果、やりたい将棋よりも丁寧な将棋を指そうと考え、33角を上がり持久戦を明示したのですが、

謎の金上がりから穴熊に組まず、作戦負けを恐れて仕掛けました。65歩を突かれたら不利なのはわかっていたので気づかれる前にということなのでしょうが、ちゃんと穴熊に組めるよう準備すべきでした。

△92飛は本局一番の好手。当たり前すぎて誰も褒めないと思いますが、自分の中ではこの手が指せたのが良かった。端に追いやられる格好は嫌なのですけれど、73角同角成同桂37角と打ち直された時に▲75歩~▲74歩が厳しく適切な受けが存在しないため、2分30秒程考えた末にふっとこの手が思い浮かび、思いついた途端すぐに指せました。

△82飛は本局一番の悪手。思い描いていた攻めが持ち駒を手放す▲45銀で受けられてしまい参っていたのですが、この手は桂金と銀の2枚換えになる先手となっており、対応しなければいけませんでした。端の飛車が気持ち悪いから戻したいということに気を取られて気づきませんでした。

最後はお相手の95手目▲13銀放り込みが空振ったために逆転したのですが、実際にはまだアヤがあったようで、

この局面で▲32龍という好手があり、まだ先手が余していたようです。一手空いたら△17銀から詰ましに行く予定でしたが▲29玉で詰まないため、実戦で現れていたら詰まそうと無理をして駒を渡し、負けていたことでしょう。

運だけで2連勝し調子に乗っているので、この先の連敗で気分を悪くしないかが不安です。負けないように将棋が強くなれれば良いのですが……。とにかく、この2勝を無駄にしないように努めます。

第9期指す順1回戦 ドラキーさん戦

お相手の棋譜を確認したところ中飛車党で、53銀を早めに決めるタイプかなと思ったので、相手の攻めに対応して26飛と浮くことだけを決めて対局に臨みました。一般的にはあまりにも準備不足だとは思いますが、実戦ですんなり飛車を浮けたので、私はこれだけでも決めていて良かったと思っています。

問題の局面。感想戦では、▲43と と素直に攻めれば先手勝ちという結論になりました(感想戦であまりにもボコボコにされて、ちょっと恥ずかしかった)。後手の56歩と69馬が何の役にも立っておらず、金銀の攻めで素直に押し切れるからです。実戦は▲54金と角に当ててくれたため△28角成と予定通り切り飛ばし、更に△39銀を嫌って▲同玉と上がってくれたために56歩と69馬が働く展開となり、まさかの勝利となりました。

今回の指す将順位戦のリーグは、私にとって非常に貴重な機会となっています。その理由は、24の15分60秒というしっかりしたルールで、自分より確実に強い人とのみ指せるから。こんな機会はないんですよ。普段の24でも将棋ウォーズでも81dojoでも、自分と同じくらい下手な人と当たるようになっているので。この半年の11局では、元より全然成立していない攻めを仕掛けられるとか、形勢に差がついても適当に詰めろをかけたらバレなくて勝ちとか、そんなことがほぼない環境となっています。このような機会を頂けたことに感謝すると共に、全ての対局を丁寧に指し、後悔のないようにしたいと思っています。

しかし、まさか1回戦で昇級候補の方に勝ってしまったために、今後よりみっともない将棋を指せなくなったとは思っています(ひどい負け方をしてしまうと「アイツ何なんだよ、◯◯とやる時も真面目に指せよ」となるため)。今回はたまたま対抗形の相穴熊に組ませてもらえて戦型的に相性が良かった面が非常に大きいのですが、自分の実力がないことに甘えず、次も頑張ります。

余談

ドヤ顔で△35歩打って、これはさすがに後手いいだろうとか思っていたのは形勢判断ができていなかったし、

△69馬で金を取ってもう勝ちだろうと思っていたのに実は馬が遊ぶ悪手で、この後一瞬で駒損を回復され早い寄せを見せられたのには絶望した。

飛車を切る手が震えた。本当に勝てて良かった……。嬉しい。

第9期指す将順位戦開幕前 今回当たる方と過去に戦った記録を振り返る

相手が決まりましたが、B4で戦ったことのある相手がいたので過去の棋譜を軽く振り返ります。

まついさん(2回戦)

過去の対戦:第5期6回戦 ◯

戦型は相手の後手ノマ三vsエルモ。あり得ない仕掛けから簡単に桂損するも、桂頭の攻めで偶然優位に立って勝ち。この年、まついさんは9勝2敗で昇級するため昇級者から上げた白星となった。

今期は復帰参加者なので順位が自分より下となりますが、それまでのB3での戦績が7勝4敗、5勝6敗ということなので明らかに実力は上の相手です。

ばやしさん(5回戦)

過去の対戦:第7期3回戦 ◯

ノマ四相手に居飛穴で対抗。こちらが詰みの局面があったりしたものの辛くも勝ち。指す順の中でもこの長考は(実際は容易に良くする手があったのに全然気づけなかったことを含めて)印象深いですね。

この年ばやしさんは9勝2敗でトップ通過。前期B3では5勝6敗と、こちらも中位の実力者のようです。

見たことある名前があったためにやってみただけなので、2つとも勝っているのは予想外でした。自慢や慢心をするつもりで企画したわけではないです……。過去に勝っていても今期負けたら意味ないですからね。

第8期指す順11回戦 梅球さん戦

(私は後手番)ここで△27馬(~35桂)は考えたんですけれど勇気がなくて決行できなかったんですよね……。玉が46に露出すると△53金という王手竜があるようで、これが見えていたら指せたと思います。

馬がそっぽに行ってしまい、飛車がブロックされ既に怪しくなり始めているこの局面。△42金としっかり受けておくのが正解でした。本譜は焦って攻め合いに出てしまい際どくなりました。

入玉になったものの判定勝ちできそうなところ、王手竜を喰らった局面。自戒を込めて残しておきます。この少し前にこちらから銀打ちで王手竜をかけられる局面があったものの気づかずに別の手を指してしまったのもひどかった(指した直後に気づいた)。大駒の枚数が3対1だったのが1対3にされ点数負けを覚悟したものの、諦めず数えてみると26点だったため引き分け指し直しにできると判断して(将棋倶楽部24でやったことのない)入玉ボタンを押し、引き分けを受け付けてもらえました。

梅球さんが終局図を貼っているので引用しておきます。

指し直しの際には指す順の運営もなさっているやきそばさんが規定について説明してくださり、持ち時間と先後の入れ替えについて梅球さんと共有することができました。持将棋指し直しもお互い秒読みでの指し直しも初だったので大変助かりました。ありがとうございました。

指し直し局は△35歩▲同歩△同銀▲45桂の進行でのこの局面で、実は△44歩と指されていたら互角か少し悪いくらいの将棋だったらしいです。この△35歩の仕掛けは今後取らないよう気をつけようと思います。

特に千日手局はひどい将棋にしてしまいましたが、最終的に勝てたのは僥倖です。第8期指す順全体の振り返りはまた後日行います。時期を逸したので行いません。第9期も開催決定したので頑張ります。

第8期指す順10回戦 てるさちさん戦

前期不戦敗をしてしまった相手で、前期は振り飛車党だったのですが今期は居飛車を指していました。横歩取り青野流の変化をやって攻め込んでいる棋譜を見たので横歩取りは避け、先手なら25歩を決めての角換わり棒銀、後手なら一手損角換わりからの右玉をメインに考えていました。実際には▲26歩△84歩からの相掛かりになりました。

本譜はここで52銀成から詰ます手があったのですが見送ってしまい、

金が1枚増えてこれなら詰ませると踏み込んだのですが、

ここから▲同飛成△同玉▲41角△61玉で詰まないと思い、本譜は▲63桂△62玉▲51銀△63玉▲62龍を△同玉とは取れないためどうにかなるかとこちらに行ったのですが、実際は▲同飛成△同玉▲41角△61玉には単純に金2枚銀1枚が残っているので▲62金からの楽な5手詰めでした。これはさすがに普通に詰ましたかったです……。

第8期指す順9回戦 みぶさん戦

終盤も怪しい局面があるかなとは思っていたのですが、

ここで23歩で必死、先手玉は詰まずに負けらしいです。まあどう見てもそうですね……。序盤に25歩を突かせて逃げ道を広げてしまったこと、そこから先手玉をスルスル逃がしているためにこうなるんですよね。

残り2局、相手は今期の勝敗を見る限り強敵だと思うので、序盤から終盤まで悪くせずに勝ち切りたいです。

第8期指す順8回戦 匠太2007さん戦

千日手局は一手損角換わりから右玉に組んだところ、攻め手が見つからなかったのか千日手にしてもらえました。

指し直し局は相掛かり棒銀から攻めを受け止められた後、形とばかりに不用意に銀を上がったため角を打たれたのがこの局面。対局中は▲69玉△78飛成▲同玉△68金▲77玉△69金▲76玉で耐えてないかなと読んでいたのですが、△69金ではなく△79金の王手桂取りから▲76玉△89金と進むので駄目です。本譜は▲69玉△95角成以下悪いなりに指し続けて粘り勝ちしました。偶然助かっただけなのでこれからの対局も不安です。

第8期指す順7回戦 ゆーすさん戦

繰り返し練習してきた角交換四間穴熊と、本番での指し方に全く関連性がなく(ここで72金なんて練習で指したことがない)、中盤で呆れるほど形勢を損ねて勝手に負けました。

なんか、色々僕には無理だったんだなと思う。頑張って指した棋譜をただAIに全否定されるだけ。しんどい。